第7号 2006年12月5日
★冬の足音が聞こえてきました。


 

 紅葉のシーズンも終わり、木々は葉を落とし山の景色も冬らしくなってきました。

  日の出も遅くなり、朝、牧場に行くときにはまだ空に星が見えます。

  毎日のことですが暖かい布団から出るのに、ちょっとした決意がいります。

  吐く息も白くなりました。

 
★冬の牛乳は、ますますクリーミー。


 

 冬を迎え、気温が低くなると、牛は、水を飲む量が少なくなります。また、汗などの形で体の外に排出する水分も少なくなります。人間と同じです。夏に比べると冬は牛乳の脂肪分が高くなります。牛乳は、工業製品ではないのです。

 「山吹色のジャージー牛乳」は、製造の過程で牛乳にほとんど手を加えない、ノンホモナイズド製法を採用しています。そのために、ほかの製品に比べるとそのような変化がストレートに味や成分に現れます。

「そういえば、近頃はクリームの層ができるのが早い」「いつもより甘く感じる」という声も、ある意味、当然のことかと思います。

  ありのままの牛乳をありのままの形で飲んでいただくこと、牛乳でも季節の変化を感じていただくことができればと思います。

  いつもにも増して「濃厚でクリーミー」な「山吹色のジャージー牛乳」をご賞味ください。

 10月上旬の乳脂率は5%以上!(通常の牛乳は3.5%程度)。寒さとともにますます濃厚になります

 
★質を守るための積み重ね。








 

 うちの牧場では、毎月1回「牛群検定」と呼ばれるものを行っています。

  これは、飼育している牛1頭1頭の牛乳についてサンプルを取り、乳脂肪をはじめとした成分などをきちんと計測することをいいます。

  これを行なうことにより、牛の健康状態、体調と合わせ、牛乳の成分を把握することができます。そして、その結果をもとに一頭毎にエサの量や配合などにも反映させ、体調の管理をすることができます。大変面倒な作業ですが、自分が酪農をはじめてから毎月欠かさず、全頭行っています。

 担当の佐藤千朋(ちほ)サン(35歳)はうちの担当をしていただいて4年目になります。年も近く、家内と同じ名前ということもあり、子育ての話などもしています。

 朝晩2回の搾乳の際に、付きっ切りで一頭毎に乳量を記録し、サンプルをとります。ミスは許されませんので、無言でてきぱき行ないます。あわせて、授精記録や分娩日などをチェックします。

 データは、パソコンで管理されており、1頭毎の変化をグラフで見ることもできます。いわば、牛のカルテみたいなものでしょうか。

  私たちは、毎日、搾乳をしながら乳房を触ってみたり、エサの残り具合を確認したり、ブラッシングをしながら毛つやを確認したり、排泄物の状態なども見ながら、いろいろな方法で牛の健康などを確認します。そこに、科学の目も活用することで、初めてきちんとしたものを生産することができると考えます。

 
★冬場にお勧めの「この一杯」。






 

 酪農家の奥さんは、この時期「手あれ」に悩まされることが多いです。うちの家内も例外ではありません。搾乳の際に牛の乳房を拭き清める作業、また子牛にミルクを飲ませるときなど、お湯や水を扱うことが多いため、仕方のないことです。これも酪農家の宿命ではないかと思います。

 逆に、酪農家の特権もあります。それは搾りたての牛乳をたっぷり飲めること。朝の搾乳を終えてほっと一息つくときや夜寝る前など決まって口にするのは牛乳たっぷりの「カフェオレ」です。

  大きなマグカップに牛乳と少しのコーヒーを入れて暖めます。両方の手のひらでカップを抱えて、少しずつ飲めば体の芯から温まります。砂糖などは加えないのですが甘みがあり、子供たちも大好きです。

 牛乳には、カルシウムや必須アミノ酸が多く含まれていて、イライラを解消したり精神をリラックスさせ、安眠を誘う効果があるといわれています。冬は、ご自宅でカフェオレを試してみませんか。


 
★ 「九州のムラ」の収穫祭で考えた。






 

 福岡マリノアシティの「九州のムラ市場」の収穫祭ブースに出展しました。

 「まっとったよ」と、イベントをするたびに来ていただいて、何本もご購入いただける女性がいます。「これを毎月楽しみにしています」と通信を持っていかれる方、「うまいですよね、休憩のときとか買ってます」というアウトレットショップの若くてイマドキの店員さんもいます。

 イベントの際に、新しくいろいろな人と知り合うのは非常に刺激があります。また、ご愛飲いただいている人々の顔を拝見するのも楽しみの一つです。

  同時に牛乳という飲み物は、とても多くの人に愛されている飲み物だなということを感じます。

 福岡でのイベントは、早起きしなければなりませんし、食事も満足に取れませんし、立ちっぱなしで非常に疲れます。でも、また行きたいと思うのは、このような貴重な経験ができるからです。

 また、新たなエネルギーをもらって、家路に帰るのでした。


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