第10号 2007年3月24日
★梅の花が咲きました。春はすぐそこです。




 

 日差しもだいぶ暖かくなってきました。

 牧場の建物のわきに梅の木があります。先日、作業の手を休めてふと目をやると薄いピンク色の花をつけていました。いつもの年よりも若干早いような気がします。

  青い空、緑の牧草、春はそこまで来ているようです。

 
★牧草畑にて






 

 春を待つこの時期、天気がいい日は奥さんと二人で牧草畑に行きます。

 追肥という作業で、冬の間に寒さに負けずに芽吹いた牧草が、春に大きく成長するのを後押しするため栄養を与えるのです。畑は、周りに何もないため、日差しは暖かいですが、風はまだ冷たいです。

 左の写真では分かりにくいと思いますが上が化学肥料、下が有機肥料です。

 うちの牧場では、2年前から有機認証に取り組んでおり、自家製の完熟堆肥と有機肥料のみを使っています。

 化学肥料は、生産量の増大を目指し人工的に合成されたものです。確かに効き目はありますが、効果が強すぎるゆえ吸収されなかった成分が地中に残る(残留する)心配があります。環境にも負荷がかかります。いわば効率優先の産物です。化学肥料を大量に使った農産物は、味に「えぐみ」が出ます。

 対する有機肥料は、魚など自然のものから作られます。効き目は緩やかですが、全てが自然の成分からできており時間が経つと分解されるので、安心安全な、土にやさしい肥料といえます。農林水産省が認定した有機100%肥料のコストは化学肥料の2倍以上。広い牧草畑一面にまく肥料は莫大な量が必要となりますので、負担は大きいですが、理想のためには譲れない“投資”です。

  「山吹色のジャージー牛乳」を飲んでいただいた方は、皆さん「ほのかに甘い」とおっしゃいます。この牧草の味がストレートに反映されているのだと思います。

 また、牧草地の多くは川の上流にあり、地中深くには水脈が流れています。農業は、自然からの恵みで成り立っている産業です。できるだけ環境に負荷をかけず、自然と共生しながら安心安全なものを提供することが生産者の務めであると思います。

  牧草の収穫は2カ月後のゴールデンウイークごろです。

 
★山吹色のプリンです。












 

 昨年末に「山吹カフェ」なるイベントを開きました。その際試験的に販売したプリンが評判を呼び、このたび正式に発売することとなりました。

 製造をお願いするパティスリールイの吉村類さんは、昨年「そらいろのたね」のご主人の紹介で知り合いました。フランス修行の経験もあり、小国の食材とフランスの食材を融合させ、洗練されたスイーツを作っています。私は、「自分が大切にしているもの(牛乳)は、こだわりを持った人の手にこそ委ねたい」と思います。年が近いこともあり、お互いのこだわりを納得いくまで話し合いながら試作を重ね、結果として非常に満足のいくものができました。濃厚でしっかりした大人の味わいです。

 イベントなどで試験販売を行ないましたが、好評ですぐになくなってしまう状況です。まもなく一部のお店では取り扱いが始まりますので見つけたら一度食べてみてください。

★ 吉村類さんのお店「パティスリールイ」は、小国町北里(ペスト菌を発見した北里柴三郎博士の出身地です)木魂館のそばにある、土・日・月曜、祝日のみ開店するフランス菓子のお店です。音楽ホールとして設計された店の大きな窓からは小国富士と呼ばれる湧蓋山が一望できます。これからの季節におススメです。




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