第16号 2007年12月20日
★年の瀬も押し迫って


 

 今年も、残りわずかとなりました。小国の冬は、体の芯から冷えます。
  朝は、凛とした空気が立ち込めています。
 久々の通信です。

 
★石垣島からの便り








 

 夏のことでしたが、突然一人の女性が牧場にやってきました。
 彼女の名前は、小山内さん。石垣島からやってきたお客さんで、黒川温泉でうちの牧場の牛乳を飲んで非常に興味を持ったとのこと。また石垣島で、新たにジャージーの牧場を開こうとしているとのこと。その過程でうちの牛乳に出会い、スタートに当たって、うちの牧場からぜひ子牛を迎えたいとのことでした。

 突然のお話で少し驚きましたが、話を聞いているうちに彼女の「理想の牧場」を作りたいとの考えに非常に共感できるところもあり、応援したい気持ちもありまして2頭の子牛をお譲りすることになりました。11月、2頭の子牛は船に乗って石垣島に出発しました。

  その後の牛たちの様子は、彼女の牧場のブログ 石垣島牧場日記に詳しく書かれています。小国とはまた違った気候、環境の中で、愛情一杯に育てられ元気にやってくれているようです(小国と違って暖かそうです)。1月には、初めての子牛を出産する予定ですので、いよいよ搾乳ができるようになるかと思います。

 先日は、ユキちゃんの母校(山口の大学)に2頭の子牛をお譲りしたことをお伝えしましたが、こちらも先日ユキちゃんが帰省した際に、会いに行ったところ、後輩の学生さんたちに愛情一杯に育ててもらっていただいているようで安心しております。

 牛乳が縁で、広がる人の輪。自分のブランドを立ち上げるまでは想像もできませんでした。とても不思議な気持ちになります。

 
★「ジャージー牛導入50周年の節目に」








 

  今年は、私たちが住んでいる小国郷にジャージー牛が導入されて50周年の記念の年に当たります。

 地元では、先日、記念式典や記念行事などが開かれました。また、それに合わせ地元の新聞で連載記事も企画されたのですが、未来に向けた新たな取り組みということで取材をいただきました。記事は、3回の連載の最終回、将来に向けた取り組みの部分で、生産者が直接消費者と新たなつながりを作ろうと新たな取り組みをしているとの内容で、妻が熊本市内のスーパーでの試飲を行なっている大きな写真とともに掲載していただきました。

 掲載後は、いろいろなところからお電話をいただき改めて新聞の反響の大きさに驚いています。

 歴史を紐解けば小国の酪農は、昭和32年、当時の河津寅雄町長が、地元住民の所得・生活の向上を目的として、山里・小国に新たな産業としての酪農を興すべくオーストラリアから98頭を導入したのが始まりです。当時は、全国的な流れの中で県などもホルスタイン種の導入を推奨していたようですが、氏は、小国地方特有の地形や気候なども含め総合的に判断し、流れに背いてジャージー種の導入を決断しました。現在の酪農業界の状況を見るにつけ、氏の先見の明には改めて驚かされます。

 なぜ、小国にはジャージー種が導入されなければならなかったのか、当時の町長が決断されたのには、大きな理由があると思います。50年という長い年月を経て、先人の理念に再度立ち返ることで、未来の方向性が見えるのではないかと思いますし、そうすべき時期に来ているのではないかと私は考えます。自分が、ジャージー牛の本来の性質を生かした製品づくりをしなければならないと考えるのは、そこに答えがあるような気がするからです。

 半世紀にわたる長い歴史の中で、わずかでも自分たちの取り組みが評価いただけたとのことは大変うれしく思います。また同時に、歴史をつないでいく責任の重さも節目に当たって改めて考えさせられました。

 
★「山のいぶき」の野菜。



 

 牧場からの完熟堆肥で土作りを行い、地元の生産者でグループを作り、根菜を中心としたこだわり野菜を生産して一部で販売を始めました。いずれも、父の店「自然薯料理 やまたけ」で使っている品物ばかりです。詳しくは、次回以降でご紹介します。


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