8月下旬、二学期が始まり子供たちは再び学校に通学するようになりました。小国では冬の寒さが厳しいため冬休みが長い代わりに、平地よりも夏休みの期間が短いのです。短い夏休みの終わり(といっても親から見れば十分長いのですが)、子供たちが恒例の自由研究に取り組みました。
まずカッテージチーズづくり。容器から鍋に牛乳を移し、火にかけて75度まで温めます。そこに、レモン汁を入れてゆっくりかき混ぜると牛乳が少しずつ固まってきます。それを、ふきんに移し、水分を絞るとカッテージチーズの出来上がりです。
ちょうど寄せ豆腐のような感じでジャムを乗せたり、しょうゆを掛けて食べたりしてもおいしいです。これは、一部の旅館のメニューにもなっています。
次は、バターつくり。これも市販の牛乳(といっても我が家の牛乳ですが)を容器に移し、腕がだるくなるくらいひたすら振ります。5分ぐらい振っていると、ふたの上の部分には厚いクリームの層ができます。フレッシュバターの完成です。
うちの牧場の牛乳は、脂肪分に手を加えないノンホモナイズ製法を採用していますので簡単にバターができます。市販の牛乳のほとんどは、製造の過程で保存期間を長くするために乳脂肪分を“たたいて”細かくするホモゲナイズド製法を採用しています。
ですから、いくら頑張って振ってみても、乳脂肪分は分離しにくく、バターとはなりにくいのです。保存期間を長くするために、生産の過程で牛乳に手を加えることは、より多くの人に製品をお届けするためには仕方のないことかもしれません。
しかし、それが本来の牛乳といわれれば少し違うのではないかなと思います。また賞味期限もあえて短く設定することは流通の面からは扱いにくくなるためリスクが大きくなります。しかしできるだけ新鮮なもの、そのままの状態で飲んでもらいたいと思うからです。
皆様も、うちの牧場の牛乳を使ってためしてみてください。自分でつくったチーズやバターは、市販のもの一味違って、おいしいですよ。子供たちには、このような体験を通じて楽しみながら食の大切さを伝えていきたいと思います。 |